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南トルコ・アンタルヤの12ヶ月*** 地中海は今日も青し

南トルコ・アンタルヤの12ヶ月*** 地中海は今日も青し

●私の旅の案内役


《私の旅の案内役》


ツアーコンダクターという、いわば「旅の案内役」の仕事を離れてから、すでに8年が経とうとしている。

現役時代の私はといえば、ツアーに出る度、現地でしか販売されていないガイドブック(ローカルガイドブック)や観光局発行の地図、最新版のミシュラン(レッドガイド)やゴーミヨーをはじめとした各種レストランガイド、雑誌まで、ありとあらゆる「資料」を、スーツケースの破損も恐れず持ち帰ってはひとり悦に入っていた。
これら膨大な「資料」は、実用的価値ももちろんあったが、いわば私にとってのツアーの戦利品であり、思い出の品であり、大切なコレクションでもあった。

残念ながら、私とともに現役を離れたこれらの品々の3分の1は、いまだ現役で活躍中のコンダクター仲間のもとへ嫁に出し、3分の1はかろうじてアンタルヤの自宅に運び、残りの3分の1は、日本にある夫の業務用倉庫の奥で、いまだ埃をかぶったままになっている。
最初の頃は何回かに分けて夫に運んでもらっていたのだが、いつしか夫も私も残された物たちのことを忘れてしまったらしい。前回日本に帰国した際、私がかつて最も愛したイタリアのローカルガイドばかりが詰まったダンボール箱2つを倉庫の棚の一番下に発見した時は、いいようのない寂しさに襲われた。
もちろん、いずれはこの秘蔵っ子たちを手元に引き取るつもりだが、日本にいる間ひと時も休まず働いた上に、アンタルヤに戻る時は日本食だの何だのと何個口もの荷物を持ち帰ってくれる夫には、なかなか言い出せずにいるのが実情だ。

ともかく、このような「資料収集癖」は、ここアンタルヤに来てからも治ってはいない。小旅行に出れば、観光局や市の発行したブローシャーや、博物館や土産物店で売られているローカルガイドブックを手に入れずには帰れないし、本屋に立ち寄っては、新しく発売されたガイドブックや地図を購入しないではいられない。ホテルやレストランのブローシャーも持ち帰るし、空港に置いてある無料配布の雑誌(例えばイスタンブール、アタチュルク空港発行の『Gate』)やトルコ航空の機内紙『Skylife』もしかり。2誌の旅行雑誌の他に、気に入ったテーマが載っていれば、『ATLAS』『ARKEO/ATLAS』(考古学雑誌)『NATIONAL GEOGRAPHIC』も買い求める。
これらはすべて、日常生活の中にも常に「旅」を追い求めている私が、条件反射的に選び取っているものたちである。
そして、私が頭の中で「旅」を組み立てる際の、なくてはならない案内役となるものだ。

今では、一年に数回の国内小旅行ができるかどうかという立場になってしまったが、私は今も昔も現役の「アームチェア・トラベラー」であることに変わりがない。
いや、我が家には肘掛け椅子はないから、「デスクトップ・トラベラー」とでも言うほうが相応しいか。

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